ストーリー
今州辺庭所属の令尹近衛。災厄をもたらす修羅だった散華は、残虐の風雪を力と化し、寡黙な守護者になった。
測定材料:【周波数スペクトル報告RA2105-G】 先天性視覚障害者。海蝕現象に遭遇したことにより、降雪と共に現れた「残像」に右目が侵蝕され、異常視界を得たと同時に異能力に目覚めた。 音痕が右目瞳孔にあり、共鳴能力を発動すると顕現する。 共鳴後、右目音痕辺りから強い不安定周波数を発するようになり、その影響で左目が灰色から赤色に変異した。 雪を操る共鳴能力を有しており、その力は精神力に影響される。 さらに異変による異常視界で周波数を「観測」できることが確認された。共鳴周波数スペクトルは「風」や「雪」など現存の気象と近い。また瞳孔部位のみ「残像」のものと近い。両方に強い反応をしたため、共鳴源の完全特定は不可。ラベル曲線に収束がなく、中段では急上昇を見せたため、突然変異型共鳴者と認定する。
散華が寺を去った時に、住持からもらった数珠のネックレス。 住持からの戒めと祝福が込められた、散華にとって大切なものであり、首から外したことはない。心が落ち着かない時に、「常界」を優しく摩ると、心経を唱えるように不思議に散華を落ち着かせる。
今汐は、散華の目に映る世界を見てみたい。その願いを叶えるために、散華はある瑝瓏の影絵の達人を訪ね、このような形で彼女の見た地獄の一角を今汐に見せた。その奇怪な地獄絵図が、奇しくも今汐に好かれたせいで、いつか自分もこの地獄の景色と仲良くなると散華にたまに錯覚させる。 このような荒っぽい化け物の影絵の他に、散華は対を成す人型の影絵を大切に持っている。
「散る運命にある」ことこそが美さの本質であると、散華は思う。純潔な氷雪がいずれ溶けて消え去るように。 たまに……彼女が手のひらに氷雪を作り、それを見つめる。それはその美しさに感心しているのか、それともその散りゆく定めに感傷しているのか? この霜の花を凍結し、大切に保存した。それが彼女が今永遠に記憶にとどめたい刹那の刻と、守ろうとしている美しさと重なっているから。


