ストーリー
フィサリアファミリー現当主、「毒薬」のカンタレラ。 高貴かつ神秘的な存在。艶やかな猛毒を持ち、山頂のクラウンに住んでいる。独りでに彼女は、夢と幻を崖の上で織りなす。
「レベル:公開」 「フィサリアファミリーの薬師ローズマリーによる検査記録――当主の特別な許可を受けている」 フィサリアファミリー現当主のカンタレラが、ファミリー最強の毒薬、共鳴能力の持ち主であることは明らかです。こうしてポルトヴィーノ城に招かれ、検査する機会や研究のために庭を自由に出入りする許可を頂けるとは思っていませんでした。大変光栄に思います。 当主が持つ毒薬の共鳴能力は、ファミリーの中でも珍しい幻覚性のあるものです。これは通常の致死性のものとは異なり、直ちに死に至らしめるものではありません。毒を食らうと、まずは幻――クラゲの群れが傘から泳ぎだし、彼女の周りに幻の海が広がる様子を対象に見せます。それは、対象の心に秘められた望みかもしれませんし、当主が編み出した偽りかもしれません。いずれにせよ、長い間幻の海に浸っていると体が麻痺し、やがて気を失ってしまいます。最悪の場合、死に至ることも。 ただ、毒薬の共鳴能力に熟知している当主なら、対象の体に害を残さず幻覚だけを見せられるでしょう。 フィサリアファミリーの毒薬は諸刃の剣です。共鳴能力を使うと、何らかの反動を受けると言われています。ですが、当主の常に優雅な立ち居振る舞いからは、「幻夢」の反動をあまり感じませんでした……不思議ですね。 備考:当主は自身の共鳴能力を理解しているにもかかわらず、特別に検査の機会を与えてくれました。少々緊張しましたが、不手際はなかったでしょうか……。
カンタレラが持ち歩いている洋傘。 長い触手が風に揺られる様子は、丸みを帯びた構造も相まり、柔らかなクラゲに見える。非常に硬い深海のサンゴでできた親骨は、美しい曲線と温かな光沢を生む。フィサリアファミリー当主の権力を象徴するかのように、傘の手元に嵌め込まれたサファイアが輝いている。 カンタレラは暴力を好まないが、いざという時には、この傘を振り回す。すると、発光した傘から美しいクラゲの群れが泳ぎだし、幻の海を作る。 美しくも危険な幻の海で、敵を溺れさせる――これこそ、フィサリアファミリー現当主、カンタレラが得意とする術。持ち主同様、水のように柔らかく見えるが、その実、極めて堅牢である。
「深海の魔女」カンタレラが秘薬を作るために使う大釜。釜にはカンタレラを象徴するサファイアが嵌め込まれている。 彼女は気まぐれで「素材」を選ぶ――クラゲの折れた触手や魚の鱗、悲しむ人の涙、そして耳元で鳴り止まない囁き…… しかし、何を入れようと、最後に出来上がるのは必ず甘い夢だった。それは現実の苦みを和らげ、深淵に陥った人々の心を優しく慰めてくれる。
カンタレラが肌身離さず持ち歩いているポイズンバイアル。ほかのアクセサリーと同じように、フィサリア当主の証としてが嵌め込まれている。バイアルにはカンタレラが自ら調合した秘薬が収められており、疲労の回復や悪夢を鎮める際に取り出す。 しかし、幽霊の深海を出てから、悪夢にうなされることはなくなった。 そのため、今はカンタレラの真心と優しさが収められている。深海まで差し込んだ光が、荒波に隠された優しさを照らし出す……彼女は自らを、暗流を抜けて海底まで辿り着いたあなたに託したのだ。


